ラムネ瓶の中の世界

瓶の中の世界でただぼんやりと文章を書きます。泡の様に浮かんでは消えます。

ピンボケした横顔と

スマホなどではないカメラで初めて意識して人を撮ってから、1年半弱。

カメラマンという職種について半年。

そして一昨日、やっと自分の成長を実感しました。

 

  私が仕事で撮っているのは婚礼前撮りが主で、その納品データは1人で作るのですが写真をざっと見て「クオリティが上がったのでは?」とふっと実感しました。

初めの頃は同じような日の丸構図、画角を変えただけの単純な画面の繰り返しで、声掛けも下手なので当然表情も微妙………とはいえ本当にダメだったのはひとりで撮影し始める前のサブカメラ(アシスタント)の時期のデータで、1人で撮るのはきちんと会社側の撮影テストでクオリティ審査を通過した後だったことは明記しておきますね。あくまでも半年前と一昨日の自分を比べて、の話です。

 自分の成長は亀の如く遅くて、焦ってイライラしてばかりですが確かに成長しているのだなぁと。

 

  初めてコスプレ撮影をしたのは「君と僕。」の併せでしたが、データを見返すと全体的にオーバー気味の露出でストロボもなく画面構成も下手っぴ、さらに今思えばありえない事に真下からの広角煽りとか言うご法度な事やらかしたりしてました。(ごめんね)

データ自体は見るに耐えませんが、あの日の併せが楽しかったからこそクオリティの低さに落ち込んだのが今の自分のきっかけなので、個人的には良い思い出でもあります。でもまたリベンジさせてね笑

 

  ちなみにコスプレと言えば、常々言っていますが正直コスプレ界隈の「コスプレイヤーがカメラマンの参加費を負担する」文化が私は反吐がでるほど嫌いです。

もちろん双方同意の上だったり、条件によってもまた変わりますので一概にはいえませんが私が言っているのは『カメラマンは高い機材を揃えて「撮ってもらってる」から』と言うただそれだけの理由で参加費を払えない事がすごく気に入らないと言うことです。

 

確かに機材は安くない。ピンキリですが、それでもカメラとレンズとストロボだけで最低10万くらいにはなると思います。

だけどカメラマンが機材にこだわるのはカメラマンの勝手です。極端な話、写ルンですでも魅力のある写真は撮れます。コスプレイヤーが衣装や化粧品を揃えるのと何が違うんでしょうか?

まして、美容に気を使って日頃の手入れをする事は経済面以外の負担を生むことは女に生まれれた自分が1番わかっています。他人に見られて恥ずかしくない自分になる為の努力をしている人を「撮らせていただく」立場でもあるのに、参加費を負担しろなんて口が裂けても言えません。

 

とは言え自分も参加費を負担しないことはこれまでもありましたし、これからも例えば大型併せだったり、数日前に急に入った知らない作品の撮影だったり、写真集や商用利用の撮影だったり、条件によってはありえます。ただ普通の撮影ならカメラマンである自分も負担すべきだと思うし、「プロだから」と言うのも趣味の撮影では関係ないと思っています。

一緒に作品を作る人間として支払わせてもらえないなら撮影する気はありません。それはお金を払うことでその写真作品に私自身も介入したいからです。作り手側にいたいんです。


  自分がただのコスカメコからプロカメラマンになったからと言って、別に何も変わりません。
正直、プロより上手いアマチュアはたくさんいます。プロだから上手く、アマチュアだから下手なわけではありません。ただプロはお金をもらって撮っている以上、その写真には責任とプライドをかけなければいけないと思っています。その為の知識と技術は一生をかけて磨くものでもあると。

自分は人間性が幼く、思慮が浅い、自尊心の強い醜い大人です。子供から大人になった時に人生の辛かった時期を抱え切れなくなって逃げ出して、今そのツケを払っています。
私の写真を見た会社の人から人間性の幼さと、問題から逃げてやり過ごしている私の本性が見えるとそう言われた事もあります。私もそう思う。
死んでしまいたいと何度も思って、今でも思って、だけど自尊心だけで歯を食いしばって生きています。技術もなく魅力のない人間には生きる価値はありませんが、生きていなければ技術は身につきませんから。誰に認められたいかと言われたら、自分だけなのですが。だけど私には大切な事です。

 

初めてコスプレ撮影をしたのは君と僕。ですが、初めて人物を撮ったのはコスプレイヤーの霄(そら)さんのポートレートでした。霄さんと初めて知り合ったのは昔やっていたアメーバブログで、もう9年くらいの長い付き合いです。

ご縁があって久しぶりに再会して昭和記念公園で人生で初めてポートレートを撮りました。その時のファーストショットのピンボケした横顔の写真は私の人生を変え、わたしの原動力になっています。

 

刻一刻と状況を変える現場においてカメラマンのやることは非常に多いですが、被写体様の存在と言うのはカメラマンにとって良くも悪くもすごく大きいものです。

昨日とあるタグツイートで(これを書いている現在で)300RT、670♡を頂けたのはひとえに今まで撮影させて下さった被写体様のおかげです。きっと風景の写真だけを撮っていた2年前の自分じゃこんなに誰かに良いと思ってもらえる写真は撮れなかった。

 

これからも1枚ずつ大切に積み重ねて、いつかの奇跡の一枚を夢見てただひたすら精進する毎日です。